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令和6年度教育行政執行方針

更新日:2024年4月1日更新 印刷ページ表示

令和6年度 教育行政執行方針

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令和5年栗山町議会定例会3月定例会議の開会に当たり、教育行政執行方針について申し上げます。議員の皆さんをはじめ、町民の皆さんのご理解とご協力をいただきたいと存じます。

人口減少や少子高齢化の進行、情報技術やグローバル化の進展 などにより、人々の価値観やワークスタイルが大きく変わる中、従来の知識や経験だけでは解を見いだすことが難しい時代となっております。

こうした変化の激しい時代にあって、子どもたちが、自らの良さや可能性を認識するとともに、全ての人を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら、日本の未来を担う人材を育成することが重要になっております。

同時に、教育は、常に、普遍的かつ個性的な文化の創造と豊かな社会の実現を目指し、心身ともに健康で文化的な資質をもち、平和で民主的な国家及び地域社会の形成者として自主的精神に満ちた健全な人間の育成と、我が国の歴史と文化を尊重し国際社会に生きる日本人、栗山町民を育むことを期して行わなければなりません。

栗山町教育委員会といたしましては、このような考え方に立ち、幼児・児童・生徒が感性、道徳心、知性や体力を育み、人間性豊かに成長することを願い、「互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識のある人間」、「地域社会の一員として、社会に貢献しようとする人間」、「自ら学び・考え・行動する個性と創造性豊かな人間」の育成を教育目標に掲げ、積極的に教育行政を推進してまいります。

また、豊かな自然環境の中で、子どもたちが生涯にわたって主体的に文化・スポーツに親しむことができる人間として成長するよう、関係機関・団体等との一層の連携を図ってまいります。

さらに、教育は、学校・家庭・地域のそれぞれが責任を果たし、連携して行わなければならないものであるとの認識に立って、すべての町民が教育に参加することを目指してまいります。

以下、これら教育目標の達成に向けた具体的な推進方策に関わり、3分野の重点方針を申し上げます。

第1分野 「学校教育」

教育政策の根幹として位置付けられている学習指導要領に基づき、特に重視することを7点申し上げます。

人権教育と豊かな心を育む教育の推進

「栗山町いじめの防止等に関する条例」及び「栗山町いじめ防止基本方針」の制定趣旨を踏まえ、いじめ問題への迅速かつ適正な対応を組織的に行うとともに、ピア・サポート活動により子どもたち同士で問題解決に取り組む意識を醸成するなど、いじめ根絶に取り組む学校づくりを推進します。併せて、人権尊重の理念を広く定着させ、あらゆる偏見や差別意識の解消を目指し、人権教育の充実を図ってまいります。

また、豊かな体験活動を通して、子どもたちが生命を大切にする心、他人を思いやる心、規範意識を育む教育を行い、発達段階に応じて学校の教育活動全体を通じた道徳教育の充実を図るとともに、校外学習や移動教室などによる体験学習や集団活動の実践を重ね、他者との交流や協働することの重要性を実感できる、豊かな心を育む教育の充実を図ります。

さらに、地域の施設や環境を活用し、歴史、伝統・文化、芸術等について理解を深め、郷土を愛し、誇りに思う心を育む教育を推進するとともに、身の回りの諸課題を解決する力を育成し、SDGsの理念に基づき、保護者や地域等と連携して、持続可能な社会の担い手に必要な資質・能力の向上を図ってまいります。

確かな学力の定着と豊かな個性を伸長する教育の推進

予測困難な社会の中でも、様々な困難を乗り越え、人生を切り開いていく力を育むため、発達段階に応じたキャリア教育の充実を図るとともに、ボランティア活動等を推進し、望ましい生活習慣を身に付け、生涯を通じてたくましく生き抜くための基盤を養う教育活動を推進してまいります。

次代の担い手となる子どもたちの知識・技能の習得、思考力、判断力、表現力等の育成、学びに向かう力、人間性等の涵養など、時代の変化に対応できる資質・能力を育成します。そのために主体的・対話的で深い学びの視点から授業改善に努め、学習状況に関する 調査や授業改善推進プランを活用した「社会に開かれた教育課程」を編成するとともに、図書館との連携を図り、学校図書館を学習情報センターとして機能させ、読書活動の効果的推進や調べ学習、発表活動を通して、主体的に学習する態度を育成し、きめ細かな指導による基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図ります。

また、子どもの特性や発達段階を踏まえ、タブレットパソコン等を活用して個別最適な学びを充実し、一人ひとりの能力や個性を伸ばします。併せて、探究的な学習や体験活動を通して協働的な学びを充実し、個性や創造性を伸ばすとともに、課題発見・解決能力を育成してまいります。

さらに、プログラミング学習等、ICTを活用した教育活動を推進し、発達段階に応じた情報活用能力や情報モラルの育成を図ってまいります。

健やかな体の育成と健康教育の推進

健やかな体を育成するため、関係機関・団体と連携し、発達段階に応じた運動の継続的な取組を図り、子どもたちの体力づくりを推進するとともに、自らの健康に関する意識を高め、望ましい生活習慣を身に付け、生涯を通じてたくましく生きる基盤を培います。併せて、学校給食を学習教材とし、栄養のバランスや規則正しい食生活、食品の安全性、自然の恩恵・勤労などへの感謝や食文化等を学ぶ食育を推進します。

また、国の衛生管理方針に基づいた衛生管理を行い、子どもたちや教職員の感染対策を講じつつ、持続的な学校運営に努めます。

さらに、「第2期栗山町健康増進計画」の趣旨を踏まえ、がんの仕組みや予防・歯と口腔の衛生に関する正しい知識と生活習慣の 習得を図るなど、健康教育の推進に取り組んでまいります。

一人ひとりを大切にする教育の推進

すべての子どもたちが社会環境の変化に適切に対応し、より良い人生を生き抜くため、必要となる基礎的な力を育み、個性や能力に応じた最適な学びを支えていくとともに、教育の専門性や指導力を高めるため、個別の指導計画等に基づき、特別支援学級・通級指導教室における指導や就学相談の充実に努め、一人ひとりの能力を 最大限に伸長する特別支援教育を推進し、交流及び共同学習等を 通して子どもたちが障がいの有無に関わらず、相互に活動する機会の充実を図ります。

また、学校・家庭・地域・関係機関等が連携し、問題行動の課題に迅速に対応するとともに、ヤングケアラーなどの困難な課題を抱える子どもたちに対する適正な支援、子ども一人ひとりの悩みや状況を迅速に把握し、関係機関との緊密な連携の下で適正な対処に努めるなど、子どもたちが相談しやすい環境づくりを進めます。

さらに、就学前から義務教育修了までの発達段階を円滑につなぐ各種プログラム等の活用や異校種の交流を通して、幼保小中の連携した教育を充実させ、子どもたちの発達や学びの連続性を高めて いくとともに、不登校の未然防止や復帰支援、関係機関等と連携した早期発見・早期対応の充実を図り、多面的・多角的な視点から、個々の状況に応じた効果的な改善プランの策定に取り組んでまいります。

安全・安心な学校づくりと教育環境の充実

子ども自らが自然災害や交通事故、犯罪等の様々な危機を予測し、回避することができる力を高める教育を推進するとともに、地域と連携した防災訓練等の拡充と組織的な体制を整備し、防災教育の充実を図ります。

また、「学校給食における食物アレルギー対応指針」等を参考に、アレルギー対策や事故予防、事故発生時の適切な緊急対応の徹底を図るため、組織的な体制づくりに取り組んでまいります。

さらに、教育環境の向上や防災機能の充実等を図るため、「個別施設計画」に基づき、計画的に学校施設の改修を進めていくとともに、少子化の進展を見据えた中で、本町が実現したい学校教育の在り方やその実現に向けて、地域住民の様々な考え方を理解した上で小・中学校の適正配置について検討を行ってまいります。

 

学校・家庭・地域社会の連携・協働と学校経営改革の推進」であります。

チーム学校として組織的な学校経営を行い、「社会に開かれた教育 課程」の実現を図るとともに、学校・家庭・地域の協働体制の充実及び栗山町のコミュニティ・スクール制度の拡充と、地域と共にある学校づくりの推進、教員研修や校内研究、OJT等を通して、教員の授業力や資質・能力を高めるなど、計画的・継続的に人材育成を図ってまいります。

また、放課後の安全・安心な活動拠点を設け、子どもたちがスポーツや文化活動等の様々な体験活動や地域住民との交流活動に親しむ環境づくりに取り組み、中学校部活動を通して、生徒が楽しさや喜びを分かち合い、心身のバランスのとれた成長ができるよう、地域全体で活動を支える体制づくりを推進してまいります。

さらに、不適切な言動も含めて体罰は「暴力」であるとの認識の下、全校を挙げて体罰を根絶し、子どもたちや家庭、地域に信頼される学校づくりを推進するとともに、学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」を受け、「栗山町アクション・プラン」に基づく校務改善を進め、教員の心身の健康保持、誇りとやりがいを持って職務に従事できる環境を整備し、学校教育の維持向上を図ってまいります。

栗山高等学校の維持・存続に向けた支援強化と魅力化ビジョンの推進

生徒の資質向上と希望進路に対応する各種支援制度を充実し、定員確保と募集2間口維持を実現します。

また、栗山高等学校の「魅力化ビジョン」を実現するため、北海道介護福祉学校との協働を基軸に産学官連携の高校魅力化コンソーシアムによる教育モデルを構築し、魅力ある高校、選ばれる学校づくりを推進してまいります。

さらに、官民協働により町を挙げて取組を進め、栗山高等学校女子硬式野球部活動のさらなる充実に向けた環境整備を行うなど、引き続き必要な支援を進めてまいります。

第2分野 「社会教育」

社会情勢の変化や教育において多様化する課題を踏まえ、すべての町民が、生きがいのある充実した人生を送ることができるよう、学校、家庭、地域など様々な場で学び、活動することができる環境づくりに努めるとともに、栗山の豊かな自然、積み重ねられたまちの歴史・文化の良さを活かしながら、みんなで支えあい、「ふるさと栗山」を大切にする人を育てる「ふるさと教育」の推進を図ってまいります。そのため、特に重視することを6点申し上げます。

生涯教育の推進

町民一人ひとりが生涯にわたって生きがいのある豊かな生活を送ることができるよう、趣味や教養などを高める町民講座などの 学習機会の提供、高齢者大学「いきいきスクール」の実施など、学びの機会を提供します。

また、子どもたちの望ましい生活習慣確立のため、家庭教育の機能を高める取組を推進するとともに、「くりやまキッズクラブ」などを通した自然・社会体験を充実し、栗山町青少年育成事業を支援するなど、青少年の体験活動の機会を提供してまいります。

さらに、豊かな心づくりを目指し、町民の読書活動を支援するとともに、図書館のコミュニティスペースを活用し、誰もが気軽に図書館を利用できる環境整備を図ってまいります。

自然環境教育の推進

「栗山町自然教育中長期計画」に基づき、関係団体の活動を支援し、自然・里山環境の保全を進めるとともに、自然体験プログラムの充実を図り、町内児童生徒の体験学習支援など、雨煙別小学校コカ・コーラ環境ハウスを拠点とした、本町独自の「ふるさと自然体験教育」を推進してまいります。

また、オオムラサキ館の管理運営など、国蝶オオムラサキの生息環境を保全し、その生態を公開するとともに人と自然との共生を推進してまいります。

スポーツの推進

生涯を通してスポーツに親しみ、健康に過ごすことができるよう、スポーツ協会、スポーツ少年団本部の活動を支援するとともに、各種スポーツ事業を通し、スポーツの普及・振興に努めてまいります。

また、「第3回くりやまハーフマラソン」を開催し、町民の健康増進はもとより、官民一体となり、まちの賑わいと活力を創出する大会として定着を図ります。

さらに、大学や企業などの合宿・研修などの受入体制の整備を推進してまいります。

芸術・文化活動の支援と文化財の保存・活用及び郷土芸能の継承活動の推進

演劇・芸術鑑賞事業の実施など、芸術・文化に親しむことのできる環境づくりを推進するとともに、文化連盟など関係団体の活動、町民の文化活動や芸術家の活動、伝統文化の継承などを支援します。

また、町の文化財指定や文化財保護に関する啓発活動を推進するとともに、新たな文化財の発掘・指定について検討してまいります。

国際・地域間交流の推進

将来を担う子どもたちに豊かな感性や国際感覚を身に付けさせるため、海外の生活や文化に直接触れることができる海外派遣事業 「少年ジェット希望の翼」を継続するとともに、英語によるコミュニケ―ション能力の向上を図るため、福島県川俣町の子どもたちとの交流を含めた、英語コミュニケーションスキル研修を継続します。

また、姉妹都市である宮城県角田市との子ども交歓のつどいや勤労青年研修事業を継続して推進してまいります。

長寿命化を図る施設の計画的改修

第7次総合計画及び個別施設計画に基づく計画的な補修・改修を行い、社会体育施設及び社会教育施設の適正な維持管理に努めてまいります。

第3分野「北海道介護福祉学校」

本格的な超高齢社会の入り口となる2025年を1年後に控え、介護人材等の需要がますます高まる一方で、社会経済情勢等の変化により、介護職を目指す人材は減少を続けております。

こうした社会的課題に対して、36年にわたり自治体政策として介護福祉士の養成を行ってきた本町には、道内自治体や介護施設等から大きな期待が寄せられていることから、今後も優れた介護福祉士を 養成し、町内をはじめ、全道・全国に向けて中核的介護人材を輩出することを目指し、学生確保及び専門職教育等に努めてまいります。

そのため、特に重視することを3点申し上げます。

戦略的学校経営による経営基盤の確立

昨年度策定した「北海道介護福祉学校中期経営戦略」に基づき、戦略性を持って学校経営に取り組み、持続的経営基盤の確立を目指します。

最重要課題である学生確保については、様々な角度から対策を進め、定員充足率向上を図るとともに、特色ある教育カリキュラムの下、確かな知識・技術の習得と国家試験合格率100%を目指し、介護福祉分野における先進事例をもとに、様々な地域課題の基礎的な理解力を身に付けることによる幅広い視野と思考を持った介護福祉士を養成します。

さらに、「地域の介護人材は地域と栗山町で育てる」をテーマとする「介護人材の確保に関する自治体包括連携」の取組をはじめ、町立の専門学校であることの特質を最大限に活かし、自治体や社会福祉法人などとの連携を推進してまいります。

本校の教育機能の有効活用と地域に開かれた学校づくり

学生が主体的に取り組む「地域活動研究」で、調査・研究過程における様々な町民との交流をはじめ、学生と町民が共に学ぶ公開講座の実施、ケアラー支援推進に係る連携・協力、社会福祉協議会との連携などを通して地域包括ケアシステム構築の一端を担い、地域に開かれ、町民に期待され、必要とされる学校として実感される取組を進めます。

また、本校の教育機能を活用し、未来の介護人材発掘につながる小中学校における福祉教育を支援するとともに、介護事業所等との連携により介護職員初任者研修を開講し、町内の介護人材の確保に貢献してまいります。

文部科学省の委託を受けて実施する「栗山高等学校との連携による高専一貫教育プログラムの開発・実証事業の着実な推進」

開始2年目となる栗山高等学校の学校設定科目「栗山と福祉」の取組を推進するため、栗山高等学校との緊密な連携、協力のもと、地域の中で活躍する人材養成に資する教育プログラムの開発と実践を進め、高・専5年間にわたる継続的な学びを推進してまいります。

以上、令和6年度の教育行政執行方針にあたっての基本方針を申し述べました。

栗山町教育委員会といたしましては、町民一人ひとりが生き生きと学び続けることのできる環境づくりに努めるとともに、これまで 積み重ねてきたまちの歴史・文化の良さを活かしながら、次代のくりやまを担う子どもたちが「ふるさと栗山」に愛着と誇りを持ち、将来に夢・希望を持って成長することができるよう、町民と連携・協働する教育行政を推進してまいります。町民の皆さん、議員の皆さん、並びに関係機関・団体の皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げ、令和6年度の教育行政執行方針といたします。