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【文部科学省委託事業】令和7年度「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」成果報告

更新日:2026年5月1日更新 印刷ページ表示

 

「専門学校と高等学校の有機的連携プログラムの開発・実証事業」

タイトル

福祉のまち「くりやま」独自の取組

福祉・介護分野における中核的人材養成に向けた高専一貫教育プログラム開発・実証事業

 

 本町では、北海道介護福祉学校を核として、栗山高等学校や介護事業所を含めた協働体制を構築し、地域社会のニーズに対応した人材育成を目指す新たな取組について 調査・検討を進めてまいりましたが、令和4年度に文部科学省委託事業の採択を受け、福祉・介護分野の中核を担う人材の養成に向けた高専一貫教育プログラムの開発・実証事業に着手いたしました。

 今般、開発する高専一貫教育プログラムにつきましては、福祉・介護をテーマとした教育活動を通して、地域における介護人材の養成・確保を図るという全国的な課題解決を目指し取組を進めるものであります。

 

 

(1)事業の趣旨・目的等について

 本町では早くから高齢社会の到来を見据え、介護の必要性を認識し、昭和62年の社会福祉士及び介護福祉法に基づく国家資格「介護福祉士」創設を契機に公立の介護福祉士養成校として北海道介護福祉学校を昭和63年に開校し、福祉のまちづくりを掲げてその充実・深化に努めてきた。
 本校が掲げる教育目標に基づき、豊かな人間性や、日々進化する高度な知識・技術に対応できる人材の育成に尽力しており、これまで30年余に渡り2千2百人以上の卒業生を輩出し、道内各地の介護人材育成に貢献している。
 既に本町では介護人材確保に向けた対策を協議する場として、行政(町及び教育委員会)、介護福祉学校、産業界(町内介護事業所等)が連携し、「栗山町介護人材確保連絡会議」等を設置し、課題解決に向けた議論を深めている。
 これらを踏まえ、本校の存在意義を発揮し、介護分野においてその中核を担う介護福祉人材を養成するため、新たな教育モデルの開発を目指したいと考え、現在、連携協定を締結している栗山高等学校との連携をより強化・発展させるとともに、行政と産業界が協働し、高・専一貫の教育プログラムの開発に必要な体制として、連携組織「魅力化コンソーシアム」を構築し発展的な事業展開を目指すものである。

 

(2)目指すべき人材像

【高校及び専門学校で共有する目標・人材像・ビジョン】​
・少子高齢・人口減少社会において活躍できる介護の知識を有した人材の養成
・地域の持続可能性に取り組むために必要な知識と技術を兼ね備えた介護人材の確保

【高校卒業段階までに目指す人材像・ビジョン​】
・栗山町の自然や暮らし、介護・福祉に興味関心があり、地域の課題解決に主体的に取り組む生徒
・地域課題に目を向け、福祉・介護に興味・関心を有する人材
・職業としての福祉・介護を理解できる人材
・地域社会の構成員として、主体性を有した人材

【専門学校卒業段階までに目指す人材像・ビジョン】
・国家資格を有する者として、自然と生命を尊び、一人ひとりの人間を大切にすることができる人材

・知識と技術を兼ね備えた社会福祉従事者として、共生社会を創造する主体的担い手となる人材

(3)開発した教育プログラムの概要

 令和7年度開発した高専一貫プログラムは、以下に列挙するものなどである。

 栗山高校は令和5年度入学生より総合科目「栗山と福祉」が新設となり、必修科目として、生徒全員が3年間で計105時間学習することになった。それに伴い、栗山高校のスクールポリシーの一部が「栗山町の自然や暮らし、介護・福祉に興味関心があり、地域の課題解決に主体的に取り組む生徒」(一部抜粋)に変更され3年目を迎えている。
 また、総合科目「栗山と福祉」の学習内容の編成に当たっては、コーディネーター役である本校校長をはじめ、教務主任が高校側と主体的に関わり、令和7年度に取り組むカリキュラムの策定作業を進め、3学年(計105時間)教育カリキュラム・プログラムを策定した。具体的な学習内容は、以下のとおり。

 

【1学年の学習目標】
 栗山町の高齢化の現状と福祉を学び、課題を発見する。また、さまざまな活動を通して介護や福祉についての興味・関心を養う。

【2学年の学習目標】
 介護の基礎的な技術を学びながら、職業としての介護や福祉についての理解を深める。

【3学年の学習目標】
 地域社会の一員として、自らにできることを考え、実践する力を身に付ける。

【その他】
令和5年度は1学年を対象として実証事業し、令和6年度はその結果をもとにプログラムを展開した。2学年に関しては、令和4年度に計画した内容と、1学年で実施した内容を精査し、プログラムを修正した。3学年に関しては、令和6年度に北海道地区高校生介護技術コンテストに介護系への進学を検討している「栗山と福祉」の受講生が見学を行った。
なお、「栗山と福祉」は令和5年度入学生からの開講であるため、令和4年度前入学生(3年生)は従来どおり3年時の選択科目「生活と福祉」により福祉を学ぶ。従って、令和6年度までは、「栗山と福祉」、「生活と福祉」を並行して展開する。
令和7年度から展開される3学年時の選択科目「フードデザイン」は、食生活を総合的にデザインすることが目標である。また、介護福祉士養成における「生活支援技術」は、栄養・調理・食環境整備、咀嚼・嚥下等も含めた健康・栄養保持と、そこから展開する介護予防なども含まれている。内容が関連する可能性があることから、教科間連携を模索し、横断・総合的な学びの内容・機会の提供について検討を加える。

概要図

 

(4)令和7年度の取り組み

タイトル

 

 【令和7年度の実証授業】
「栗山と福祉」1年次の実証授業として履修生徒36名に対して延べ9回(実回数14回)の実証授業を行った。その経過については次のとおり。

​​

・令和7年4月18日(金曜日) 出張授業 「栗山と福祉」オリエンテーション

・令和7年5月14日(金曜日) 出張授業 「栗山の福祉の歴史と今」

・令和7年8月22日(金曜日) 来校授業 「車椅子介助・歩行介助」

・令和7年8月26日(火曜日) 合同授業・学外実習「車椅子で町にでてみよう」

・令和7年9月9日(火曜日)  福祉系大学訪問

・令和7年9月9日(火曜日)  合同・来校授業 「車椅子再発見プロジェクト」

・令和7年11月14日(金曜日) 合同授業「様々なパラスポーツを体験」

・令和7年11月18日(火曜日) 現場の介護職員の話

・令和8年2月9日(月曜日)  合同・来校授業 「福祉・介護のICT化を知る」

 

 

「栗山と福祉」2年次の実証授業として履修生徒49名に対して延べ16回(実回数15回)の実証授業を行った。その経過については次のとおり。

 

・令和7年4月18日(金曜日) 出張授業「高齢者・障害者の理解」

・令和7年5月1日(木曜日)  合同授業「ハンセン病の歴史を学ぶ」

・令和7年5月15日(木曜日) 来校授業「介護実習(高齢者疑似体験)」

・令和7年6月23日(月曜日)  出張授業「認知症の理解」

・令和7年8月26日(火曜日) 出張授業「認知症サポーター養成講座」

・令和7年9月2日(火曜日)   合同授業「認知症VR体験」

・令和7年9月16日(火曜日)  出張授業「コミュニケーション」

・令和7年9月22日(月曜日) 合同授業・演習「徘徊模擬訓練」

・令和7年11月5日(水曜日) 実習 「高齢者とのかかわり」

・令和7年11月25日(月曜日) 合同・来校授業「防災(BCP)を考える」

・令和8年2月3日(火曜日)  出張授業「バリアフリー住宅」

・令和8年2月13日(金曜日) 合同・来校授業「発達障害を考える」

・令和8年2月17日(火曜日) 合同授業「講談で学ぶ成年後見制度」

・令和8年2月19日(木曜日) 出張授業「その人にあった車椅子ができるまで」

・令和8年2月25日(水曜日) 合同授業・来校授業「地域活動研究報告会」

・令和8年2月26日(木曜日) 合同授業・来校授業「キャリア形成について考える」

 

 

「栗山と福祉」3年次の実証授業として履修生徒45名に対して延べ16回(実回数15回)の実証授業を行った。その経過については次のとおり。

 

・令和7年6月23日(月曜日) 出張授業「レクリエーションとは何か」

・令和7年6月27日(金曜日) 出張授業「レクリエーションを企画する」

・令和7年7月17日(木曜日) 出張授業「認知症サポーターステップアップ講座」

・令和7年7月18日(金曜日) 出張授業「認知症サポーターステップアップ講座」

・令和7年10月16日(木曜日) 出張授業「認知症ケアの実際」

▼開発したプログラム 

1年生授業概要資料 [PDFファイル/1MB]

2年生授業概要資料 [PDFファイル/1.13MB]

3年生授業概要資料 [PDFファイル/188KB]

 

【まとめ】
・授業を通して、内容別に高校生へ振り返りシートの提出を求めた。詳細の分析は今後行うことにするが、記載内容からは意図が理解されていると感じ得る回答内容があった。高校1学年の1年間終了後の関心の高まりの結果を見ると、授業を受ける前は6割程度だったのが実際に授業を受けると9割を超えていることから、高校生の意識・関心・動機付けに対して一定の効果はあると考えられる。また、2学年は将来の課題、地域の課題などにも関心が高まっている傾向があり、将来のことを少しずつ具立的に検討していることがわかる。3学年は、高校生に対して福祉・介護を切り口としたキャリア教育の視点も含めたものであるが、一定程度の効果があることがわかる。
・合同授業を実施する際の介護学生の視点では、高校生にアドバイスすることで、「学ぶ人から伝える人へ」(半学半伝:現在学んでいる人は同時に伝えていく人でもあるということ)の体験をする機会にもなっている。高校生からすると、学生がロールモデルと認識しやすく、「ワクワク」感を共有することで、次世代(高校生以下)への人の「生活・暮らし」を継続するために必要な福祉・介護の視点の広がりと、将来的な介護人材または福祉・介護に対する知識を有した人材としてのすそ野を広げる活動にもつながると思われた。
・栗山高校の必修科目「栗山と福祉」では、介護学生と栗山高校生の交流する機会があり、本校が対応する科目構成上からは幾つかの科目を横断的に対応することで、本校が実施している独自科目「キャリア形成支援講座」への栗山高校生の授業参加が実現した。これは、一つの国家資格を有することでその後の個々人のキャリア形成や職務の幅が広がる可能性があることの理解につながり、成果が出たものと感じている。

 

【​前年度、取組を通して整理が必要となった課題の対応】

1.事業の内容と実施に関して
・高校と事業の目的・内容等に関する確認・調整が随時必要
→ 随時調整している。専門学校と高校の学年ごとの担当者の明確化
・地域の実態把握と、課題解決方法に関する学習について
→ 継続検討を行う
・専門職の給与条件、キャリアアップ等に関する情報の共有
→ 2年次のカリキュラムに包含して実施する(令和6年度より実施)
・小中高専の連携による、一貫した福祉教育との連動
→ 一貫した福祉教育の体系の作成
・課題の共有
→高校3年間での一貫したカリキュラムづくりと、福祉・介護に視点を置いたキャリア教育体系づくりを検討している。
→ 双方の年間計画作成時に調整しながら対応。
福祉体系

2.高校生・介護学生がともに感じるワクワク感
・高校生、介護学生との合同授業
・専門職のキャリアアップ方法、就労状況等に関する学び
・福祉・介護専門職(若手)も交えた演習機会の創出
・介護学生や若手専門職をロールモデルに
・介護職員初任者研修や、国家資格取得への動機づけ​

 

3.垂直展開と水平展開に向けた整理
・自治体包括連携協定等を軸にした水平展開
・北海道教育委員会からの協力・助言
・高等学校家庭科教員(部会)への情報提供等
・編入可能大学等との連携など

​​

​​(5)令和7年度事業の総括

 令和5年度に開発した高専一貫プログラムに修正を加え実証授業を実施した。過去3年間にわたり実施授業の検証→修正→企画調整→実施・内容修正といったPDCAを意識した取組を展開してきた。本事業は、3年間を見据えたプログラムであることから、実施するのと同時により内容の高いカリキュラムへと変化させている。今後も同様の取り組みを実施することにしたい。しかし、社会情勢の変化、人口の構造的変化、地域における違い、業界内外のDX化、資産性向上、GIGAスクールなど、様々な情報を収集しながら対応することが必要である。そのことから、PDCAサイクルに基づく展開だけではなく、RV-PCDSSSという視点も必要になる。

 受講した高校生の福祉・介護に対する意識の変化、動機付け、社会人準備性、知的好奇心への影響などの把握は継続してアンケート調査を実施し、学習による経年変化を調査するとともに、3年次の総合的な評価も継続する。

 本校は「地域活動研究」「キャリア形成支援講座」を学校設定の独自科目として栗山町をフィールドとした社会資源の活用も含めた教育活動を行っている。高校生もそれらの授業に参加し実証授業としていることから、今後も本事業の目的である「地域の中核的人材育成」をより意識して展開し、毎年のスキーム作りが結果的にパラダイム転換に結びつくことが求められていると考えることもできる。

 これまで介護学生が高校生のロールモデルになり得ていることから、受講している高校生も今後、中学生へのロールモデルになることも期待できる。

 介護学生も高校生も半学半教(学ぶ立場でありながら、教える立場も経験)の機会になりえるとなれば、単に「栗山と福祉」の授業展開に終始するのではなく、キャリア形成に関連付けする方法、具体的な進路選択・職業選択を模索すること、さらには第6次産業の視点も含める余地も課題として残されている。

 高校・専門学校の連携と一貫したプログラムを軸に、本町まちづくりの主要拠点である「北海道介護福祉学校」が核となり、福祉・介護の視点を活かした教育から地域における将来の介護人材の発掘育成を図り、介護人材が定着する環境づくりまでにも貢献することで学校の存在価値を発揮、地域ニーズに呼応する学校へ深化しなければならないことも明確になっている。

 本事業で開発する地域での「介護人材養成に向けたキャリア形成プログラム」の実践により、介護人材不足の解決はもとより、福祉教育を通して身に付けることができる豊かな人間性を育む人材養成を行い、社会情勢、人口構造が変化する社会、また、違いがますます生じる地域において中核的に活躍できる人材の輩出を実現できることを目標に、今後も高専接続カリキュラム開発と検証・改善を行うことが求められると考察できる。

成果報告書

令和7年度成果報告書 [PDFファイル/2.51MB]

事業実施に伴うアウトプット(成果物)

【1年生授業資料】

出張授業:R7.4.18栗山と福祉「オリエンテーション」 [PDFファイル/1.28MB]

来校型授業:R7.8.22栗山と福祉「車椅子介助・歩行介助」 [PDFファイル/3.85MB]

高校生・介護学生合同授業(実地演習):R7.8.26栗山と福祉「車いすで 町に出てみよう」 [PDFファイル/1.96MB]

出張授業:R7.11.18栗山と福祉「現場の介護職員の話」1 [PDFファイル/2.29MB]

出張授業:R7.11.18栗山と福祉「現場の介護職員の話」2 [PDFファイル/3.13MB]

高校生・介護学生合同 来校型授業:R8.2.9福祉・介護のICT化を知る [PDFファイル/583KB]

 

【2年生授業資料】

来校型授業:R7.5.15栗山と福祉「介護実習(高齢者疑似体験) [PDFファイル/151KB]

出張授業:R7.6.23栗山と福祉「認知症の理解」 [PDFファイル/699KB]

出張授業:R7.8.26栗山と福祉「認知症サポーター養成講座」 [PDFファイル/2.41MB]

出張授業:R7.9.16栗山と福祉「コミュニケーション」 [PDFファイル/803KB]

高校生・介護学生合同 演習授業:R7.9.22栗山と福祉「徘徊模擬訓練」 [PDFファイル/944KB]

高校生・介護学生合同 来校型授業:R7.11.25栗山と福祉「防災(BCP)を考える」 [PDFファイル/1.42MB]

出張授業:R8.2.3栗山と福祉「バリアフリー住宅」 [PDFファイル/35KB]

高校生・介護学生合同 来校型授業:R8.2.13栗山と福祉「発達障害を考える」 [PDFファイル/2.3MB]

出張授業:R8.2.19栗山と福祉「その人にあった車椅子ができるまで」 [PDFファイル/699KB]

高校生・介護学生合同 来校型授業:R8.2.26栗山と福祉「キャリア形成について考える」 [PDFファイル/4.09MB]

 

【3年生授業資料】

出張型授業:R7.6.23 6.27栗山と福祉「レクリエーション」 [PDFファイル/833KB]

出張型授業:R7.7.17栗山と福祉「認知症サポーターステップアップ講座」 [PDFファイル/1.4MB]

出張型授業:R7.7.18栗山と福祉「認知症サポーターステップアップ講座」 [PDFファイル/859KB]

 

 

過去の成果報告

​ 令和4年度

 令和5年度

 令和6年度

本事業の詳細

​ 福祉・介護分野における中核的人材養成に向けた高専一貫教育プログラム開発・実証事業<外部リンク><外部リンク>

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